あけぼの歯科医院

歯がしみる・・・これって虫歯?②

 

こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。

前回に引き続き「歯がしみる」場合の治療についてです。

 

歯がしみるといった場合、一番多いのが知覚過敏です。

という事で今回は知覚過敏になった際の治療法についてご説明していきます。

 

1.歯のシミ止めを塗る
まず、私が特に気をつけていることが、なるべく歯を削らずに抜かずに治したいという事です。

というのも、歯を一度削って詰めると、その詰めた修復物は平均5~10年しかもたないというデータがあるためです。数年後にまた削って詰めるという治療を繰り返すと、ただでさえ小さな歯がどんどん無くなっていってしまいます。

そのため、まずは歯を削る必要のない、シミ止めを塗っていくという治療から始めます。

シミ止めの薬剤は、むき出しになってしまっている象牙質の穴(神経と交通している部分)を塞ぐという目的があります。歯ぐきが下がり、象牙質が露出してしまっている部分を確認し、薬剤を塗り込みます。

この薬剤は、1回目、2回目で効果が現れなかったとしても、3回目で初めて効果が出るという事例もあります。そのため、当院では1回の塗布に時間をかけるだけでなく、薬の効果が出なかった場合も、合計3回ほど繰り返し薬剤を塗布するようにしています。

薬剤の塗布によって効果が出た場合、薬剤は神経と交通している穴の奥までしっかりと入り込んでいるため、その効果は長期間持続します。

 

2.表面を削って詰める
シミ止めを念入りに塗ってもなかなか効果が出ない場合もあります。

そのような場合には、歯の表面を削って詰めます。

これは象牙質の封鎖をより確実にして、刺激を減らすという目的で行います。表面一層でも削ってしまいますので、治療は慎重に行うようにしています。

この治療まで進むと、ほとんどの人はしみを感じなくなります。

 

3.神経を取る
どうしてもシミがとれず、生活に支障が出てしまっている場合にはやむを得ず神経を取ります。
神経を取ると痛い、しみるという感覚はなくなりますので、ほぼ100%しみる事はなくなります。

しかし、神経を取るには歯を大きく削らなければいけないので、それによって歯がもろくなってしまいます。従って、安易に神経を取るのではなく、生活に支障がある場合のみに行います。

神経を取らないといけないほどのシミというのは、何かの刺激に強く反応してしまう歯髄炎の症状が出ている場合もあると考えられます。

歯髄が炎症を起こしてしまいますと、普通の冷たい、あつい、触っているという刺激も、すごく痛いものとして感じてしまいます。ですので、神経を取らないと症状が治まらないと考えています。

 

そこまでの症状が出るには何か大きな原因がある場合があり、その代表例が「歯にヒビが入ってしまっている」状態です。

この場合いくら象牙質をコーティングしてもあまり効果は得られず、ヒビ伝いに伝わる刺激によって神経が炎症を起こすに至っている事が多く、その場合は神経を取るだけでなくヒビの後処理も必要になってきます。

ヒビが致命的なところまで及んでいる場合、最悪抜歯の適応になってしまうケースもあります。

歯がしみる!というのは意外と嫌なものです。
歯の神経の中にある感覚は「痛い!」と感じる感覚しかないからなのです。
「しみる!」というのは「痛い!」というのと、感覚としては同じものということになります。

しみる症状のほとんどが知覚過敏ですが、虫歯や他の病気である場合もあります。
虫歯であっても、まだ初期の段階であれば簡単に治療を行うことが出来る場合もありますので、痛みを感じたら大事になる前に一度当院までご連絡下さい。