こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。
今回は「ピエゾサージェリー」についてお話します。
この機械は超音波切削機器に分類される機械で、主に骨の整形などを伴う外科処置に使用します。
歯医者さんで「削る」というとあのチュイィーンという嫌な音で有名なドリルが浮かぶかと思いますが、実はこういった超音波機器で削る事もあります。
ドリルは細かいダイヤモンドの砥粒(粉)が付いた軸を回転させながら当てた対象を「切る」のではなく「削る」という行為をしています。
一方超音波はクリスタルの振動で金属の先端チップを振動させ当てた対象を「弾き飛ばす」のが主な特徴となります。
その振動が当たる相手が硬ければ硬い程衝撃が加わり、結果相手が「削られた」状態になるのです。
この仕組みを応用すると、歯肉のような「軟組織」は柔らかいので振動が伝わらず傷つかないのに対し骨や歯等の「硬組織」はしっかり削れるという非常に都合の良い効果が生まれるのです。
どんな時に都合が良いのかと言うと、例えば外科処置において骨を削りたいが歯肉や大事な血管は傷つけたくない時や、被せ物の型取りをする前に土台の歯の形を整える際に歯茎の中で歯を削っても歯茎が傷つかないようにしたい時など、選択的に対象を削りたい時に非常に助かります。
当院ではこの機能を有効活用し、低侵襲(出来るだけ削らない、組織を傷つけない)で安全な処置を日々行っています。