あけぼの歯科医院

硬組織だけを削る③

こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。

前回は外科処置時のピエゾサージェリーの利点についてお話しました。

今回は補綴(ホテツと読みます)治療の際のお話です。

虫歯等で歯が大きくダメージを負ってしまった場合、「クラウン」や「ブリッジ」といった歯を一周ぐるっと削って人工の歯を被せる処置を行う事があります。入れ歯を含めこういった歯を補う処置を「補綴」と言います。

その際被せ物と土台となる歯の境目がいかにピッタリ作れるかでその被せ物の良し悪しが決まります。

勿論他にも噛み合わせや見た目も評価ポイントになりますが、そもそもそこに至る前に被せ物と歯がピッタリでないとその評価をする価値すらなくなってしまいますから先ずは境目がどれぐらいピッタリかというところから評価が始まる訳です。

ピッタリ作る為には「削り」と「型取り」と「技工士の腕」が三拍子揃わないと実現しません。

その内歯科医師が行う前者2工程において、例の「硬組織だけ削れて軟組織は削れない」という利点が生かされるのです。

特に前歯などの見た目を重視する領域においては「削り」の際の境目を歯茎の中に設定します。

言い換えると歯茎の中まで歯を削るという事です。ここまで言うとピンと来る方もいらっしゃると思いますが

図のように削る器具は半分外側が歯茎に触れる為かなり慎重に操作を行わないと歯茎が傷つき出血してしまうのです。

出血をすると「型取り」は綺麗に出来ませんから、通常は仮歯等で経過観察を行い歯茎の治癒を待ってから型取りを行います。

この際ピエゾサージェリーで深いところを丁寧に削り(あまり削れない為)、出血もなく処置を行う事でより綺麗に「削り」と「型取り」が行えるようになります。

これを「マイクロスコープ」視野下で行う事でより精密な治療が可能になるというわけです。