こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。
顎関節症シリーズが続いていますがまだ本題に入れていません(^_^;)
前回は顎関節の特殊性について触れましたが今回は顎関節の具体的な解剖についてです。
少し分かりにくいかもしれませんが、上の図は顎関節を模式図で表したものです。
下顎頭というのが下顎の関節の軸となる部分で、ドアの蝶番のように回転をします。
この回転運動だけであれば恐らくこんなにも問題が起きる器官ではなかった可能性は高いですが、実は顎関節は回転運動と「前方滑走運動」という動きをします。
上下の前歯が3cmぐらい開いたとして、それ以上開けようとすると下顎頭が関節結節を乗り越えて前に出ます。
イメージしづらいかもしれませんが、回転の中心軸が最初は下顎頭、途中から下顎角になり大開口を実現するのです。
この下顎頭の前方滑走運動の際に骨である関節結節との間で緩衝材(クッション)のような役割をしてくれるのが「関節円板」という軟骨のような組織になります。
関節円板も下顎頭も筋肉に繋がっていますからそれぞれの筋肉が上手くシンクロして動きがスムーズになるのですが、この筋肉の作用が習癖などによってうまくシンクロして動かなくなってしまう事があります。
それぞれバラバラの動きをする事によって関節円板がうまくクッションにならず逆に引っかかってしまうケースがあります。
これが顎関節症で一番多い「円板復位性クリック」だったりします。
次回は顎関節症の具体的な症状等も併せて紹介していきたいと思います。