こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。
前回はピエゾサージェリーで行う超音波切削についてお話しました。
では実際にどんな場面でこの機器が活躍するのか、簡単な例を挙げていきます。
例えば上の奥歯の辺りにインプラントを入れたい時、上顎の骨の中にある上顎洞という空洞が大きいと空洞が邪魔でインプラントを入れられないケースがあります。こういう時は空洞を埋める手術を先に行ってから後日インプラントを入れるのですが、この骨の空洞を埋める手術の時にピエゾサージェリーが大活躍してくれます。
上図のように空洞の外側にある骨の殻を削って穴を開け、内側にある薄皮を剥がして捲り、その中に骨のもとになる材料を詰めていく、こういう手術になります。
ここで大事なのが「内側の薄皮を破らないで剥がすこと」で、これが達成されないと骨のもとになる材料が詰められずオペ自体が失敗になってしまいます。よくある失敗例として最初の外側の骨の殻を削る時にズボっと中まで貫通してしまい中の薄皮を破いてしまうというケースが挙げられます。
「硬組織だけ削れて軟組織は削れない」という性質が最も有効活用される状況がまさにこの瞬間です。
外側の骨だけ削って内側の薄皮は削れないという条件のもと、安全に処置を行う事が出来るのです。