こんにちは、渋谷区桜丘町の歯医者「あけぼの歯科医院」の陣之内です。
タバコが健康に対して悪影響を与えてしまうというのは良く知られていますよね。
WHO(世界保健機関)からは、先進国の病気と死亡の最大の原因がタバコにあると報告されている程です。
そんなタバコは、歯の健康に対しても悪影響を与える要因の1つとなっていて、特にタバコと歯周病は密接に関係している事が分かっています。
体に悪いのは既に百も承知というところですが、本日はタバコが歯に与える影響に注目してご紹介していきたいと思います。
タバコに含まれている成分には、血管を収縮させる作用があります。
血管の収縮はお口の中でも起こっており、その結果、血流が悪くなることによって、歯ぐきに必要な酸素や栄養が十分に行きわたらなくなり、歯ぐきが弱ってしまうのです。
また、喫煙は細菌と戦う役割を持っている白血球の機能を大幅に低下させてしまいます。そのため、歯周組織を細菌から守る力が弱くなり、細胞の回復力も低下してしまうのです。
<タバコ「三大有害物質」>
・ニコチン
タバコの依存症を引き起こす原因物質です。精神作用を持ち、「毒物及び劇物取締法」に明記されている毒物でもあります。
少量でも脳の中枢神経系や胃の収縮力を低下させ、吐き気などを起こしたりします。また、血圧上昇、抹消血管の収縮といった作用もあります。
・一酸化炭素
血液中のヘモグロビンと結びつく力が酸素の200~300倍も強く、それによって血液が酸素を運ぶ能力を低下させてしまいます。
妊娠時の胎児への悪影響、虚血性心疾患、抹消動脈疾患、慢性呼吸器疾患などを誘引します。
・タール
いわゆる「ヤニ」と言われているような茶色くべっとりとしたもので、多くの発がん性物質が含まれています。特に呼吸器系疾患やがんとの関係が深いと考えられています。
<歯周病とは>
「歯周病」とは、歯の周囲に付着したプラーク(歯垢)が歯と歯肉の隙間に入り込み、歯石の上や歯の表面に付着した状態が続く事で炎症が起き、その炎症が歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。
プラークには沢山の細菌が住みついていて、歯肉に炎症を起こしてしまいます。プラークはそのままにしておくと、やがて硬い歯石という物に変化し、歯の表面などにがっちりとくっつき、簡単には取り除く事が出来なくなります。
歯石の周りや内部には更に多くの細菌が住みつき、歯を溶かす毒素を出し続ける事になります。
次回はこれらの要素がどう関係して歯周病の悪化に繋がっていくのか詳しく解説していきます。